論説エッセイの書き方:形式と重要な手順

論証エッセイの書き方を知ることは、自分の考えを明確かつ説得力をもって伝える上で非常に重要です。
どのような議論が説得力を持つのでしょうか。それは、提示される証拠と、それを提示する人柄や信頼性によって決まります。
このガイドでは、基本的な手順から、最適な構成の選び方、そして説得力のある論拠の構築方法までを解説します。始めましょう!
論証エッセイとは
論証エッセイとは、感情的な訴えではなく、論理と証拠を用いて読者を特定の視点に同意させようとする文章です。 説得エッセイが感情に訴える傾向があるのに対し、論証エッセイでは、論理的な構成と客観的な根拠に基づき、主張の正当性を示します。多くの場合、自らの立場を明確にするだけでなく、反対意見を認識し、それに対する反論を展開します。
論証エッセイの重要な特徴は、議論の余地があるテーマを取り上げることです。これにより、書き手は自身の主張を裏付けるために、論理的な推論と証拠を示すことが求められます。反対意見を考慮し、それらが誤りであるか、あるいは正当性に欠けるかを明確に論証する必要があります。徹底的な調査と多角的な視点からの検討を通じて、説得力のある議論を構築することが重要となります。
論証エッセイは、学術分野でよく見られる課題であり、科学、テクノロジー、政治、医療など、議論の余地があるテーマが扱われることが一般的です。学生は通常、文献調査や実証研究を通じて、自身の主張を裏付けるための調査を行う必要があります。最終的な目標は、明確な主張を提示し、信頼できる証拠に基づいてそれを論理的に裏付けることです。
論証エッセイにおける五段落構成
論証エッセイの構成は様々ですが、初心者には五段落構成から始めるのがおすすめです。この構成は比較的簡単で、短いエッセイに向いており、序論、根拠に基づいた三つの本文段落、そして結論で構成されます。
1. 序論
序論は、読者の注意を引きつけ、エッセイの内容を予告する重要な部分です。以下の要素を含みます。
フック:読者を惹きつけるような印象的な記述、質問、逸話、引用、あるいは鮮やかな描写。
例:「毎年、プラスチック汚染が原因で100万人以上の海洋生物が命を落としていることをご存知ですか?」
背景情報:問題の理解を助けるための簡潔な背景情報。
例:「プラスチック汚染は地球規模の危機となり、野生生物、生態系、そして人々の健康に影響を与えています。」
テーゼステートメント:議論や主張を一句でまとめたもの(主題文)。
例:「プラスチック汚染による悪影響を軽減するため、持続可能な取り組みを導入し、プラスチック生産に対する規制を強化する必要があります。」
2. 本文段落(三つの部分)
論証エッセイの本文は、主張を裏付ける主要な理由ごとに一つの段落を設け、合計三つの段落で構成されるべきです。
1. 第一段落:根拠となる証拠の提示
トピックセンテンス:段落の主題を提示します。
例:「使い捨てプラスチックの消費を削減することは、この危機的状況に対処するための重要な一歩です。」
証拠/裏付け:事実、統計データ、または事例を用いて、主張を裏付けます。
例:「Ocean Conservancyの報告によると、プラスチックストローは年間数百万トンもの廃棄物となっています。」
分析/論拠:提示された証拠が、いかに自身のテーゼを支持するかを説明します。
例:「使い捨てプラスチックを減らすことで、最も蔓延しており、かつ予防可能な廃棄物の発生源を減らすことができます。」
2. 第二段落:反論への対処
反論:反対意見を認識します。
例:「プラスチックを禁止すると、持続可能な代替製品のコスト上昇により、中小企業に悪影響を及ぼす可能性があるという批判もあります。」
反駁:なぜその反論が説得力に欠けるのかを説明、あるいは論破します。
例:「しかし、長期的には、環境浄化コストの削減など、経済的なメリットが短期的な課題を上回ります。」
3. 第三段落:さらなる裏付けの展開
トピックセンテンス:自身のテーゼを支持する別の議論または事例を追加します。
例:「生分解性素材のイノベーションを促進することは、産業界に新たな機会をもたらします。」
証拠:主張を立証するための事実や研究結果を提示します。
例:「生分解性パッケージ素材に投資している企業は、消費者から大きな支持を得ています。」
トランジション:次の段落(結論)へ繋がるように、アイデアを結びつけます。
例:「これらの例が示すように、持続可能な取り組みへの移行は、実行可能であると同時に不可欠なのです。」
3. 結論
結論では、自身の主張を改めて強調し、読者に今後の考察を促し、エッセイを締めくくります。新たな情報や根拠を持ち込むのではなく、既に述べた要点を統合することが重要です。
テーゼの再提示:提示した根拠を踏まえ、自身の主な主張を改めて読者に伝えます。
例:「結論として、使い捨てプラスチックからの脱却は、地球の生態系を保護するために不可欠です。」
主要ポイントの再確認:議論した重要なポイントを簡潔に振り返り、自身の立場を強化します。
例:「使い捨てプラスチックの削減、反論への反駁、そしてイノベーションの促進は、いずれも不可欠なステップです。」
行動喚起:読者に行動を促す、または議論の意義について深く考察するよう促します。
例:「今こそ、個人、企業、そして政府が持続可能な代替手段を受け入れ、私たちの未来を守るべき時です。」
高度な議論エッセイの構成と例
複雑な主題について論述する際には、議論エッセイにおいて、アリストテレス式、トゥールミン式、ロジャース式という3つの主要な構成形式を用いることが求められます。これらの形式はそれぞれ、独自の異なる目的を持っています。
1. アリストテレス式(古典的)議論
最適: 明確な立場に基づき、率直な議論を展開する場合。
アリストテレス式は、特にテーマに関する知識や経験が少ない読者を説得する際に、明瞭かつ論理的な議論を展開するのに適しています。この手法では、エトス(信頼性)、パトス(感情)、ロゴス(論理)の3要素を用い、これらを組み合わせることで、議論をより強固で完璧なものにします。
このスタイルでは、まず問題点を明確に提示し、自身の見解を示します。そして、反対意見に一つずつ向き合い、証拠と論理を用いて反駁します。最後に、最も説得力のある証拠を提示することで、読者が望ましい政策転換を支持する強力な論拠を構築します。これは、読者が目的地に確実にたどり着けるように、道順を具体的に示すようなものです。
この構成は、一点集中型と五点集中型の中間的な位置づけと言えます。五段落構成のエッセイを、よりシンプルにし、柔軟性を持たせた形式です。
概要:
導入: 問題を提起し、背景情報を提供し、自身の主張(thesis)を述べます。
例: 「気候変動は、人間の活動によって驚くべき速度で加速しています。その影響を緩和するため、各国政府はより厳格な炭素排出量削減政策を導入すべきです。」
自身の視点: 自身の主張が正当である理由を明確に説明します。
例: 「炭素排出量を削減することで、厳しい規制を導入している地域で汚染レベルが低下していることからも明らかなように、地球温暖化を抑制することができます。」
反対者の視点: 反対意見を取り上げ、論理的に反論します。
例: 「より厳しい政策は経済成長を阻害するという意見もありますが、グリーンエネルギーへの投資が持続可能な雇用を創出できることを示すデータも存在します。」
証拠: 主張を強化するための事実、統計、事例などを提示します。
例: 「デンマークなどの国では、炭素税導入後、再生可能エネルギー関連の雇用が70%増加しています。」
結論: 主要なポイントを要約し、自身の主張を改めて述べます。
例: 「炭素排出量削減を優先することで、経済成長を促進しながら、将来の世代のために地球環境を守ることができます。」
2. トゥールミン式議論
最適: 明確な答えが存在しない複雑な問題や、反論を構築する場合。
真実が容易に見つからないような複雑な問題に取り組むには、トゥールミン式が有効です。まるで玉ねぎの皮を剥くように、論理を積み重ねて議論を深めていくことができます。
この形式では、エッセイは自身の主張を述べるだけでなく、相手の主張に対する反論に焦点を当てることができます。自身の主張を述べ、証拠によってそれを裏付けるとともに、その根拠となる前提を説明し、想定される批判にも対応します。
上記の手法において優れている点は、この手法においても強みとなります。議論を深掘りし、詳細な分析を行う論文に最適です。
概要:
主張: 自身のトピックに関する明確な主張を述べます。
例: 「義務的なワクチン接種は、公衆衛生と安全にとって不可欠である。」
理由: 自身の主張を支持する根拠となる証拠を提示します。
例: 「ワクチンは、ポリオや麻疹などの感染症を95%以上減少させてきた。」
論拠: 主張と証拠を結びつける論拠(warrant)を説明します。
例: 「集団免疫は、ワクチン接種を受けられない人々も保護し、社会全体に利益をもたらす。」
裏付け: 論拠をさらに強化するための追加の証拠を提示します。
例: 「CDCの研究により、ワクチン接種を受けた集団では、予防可能な疾患の発生が少ないことが確認されている。」
限定: 主張が完全に適用されない可能性のある制限や条件を提示します。
例: 「ワクチンは重度のアレルギーを持つ人には適さない場合があるが、医学的に正当な理由がある場合に限り、免除されるべきである。」
反論: 反対意見を取り上げ、反証となる証拠を提示します。
例: 「ワクチンが有害な影響を引き起こすと信じる人もいるが、広範な研究によってその誤りが証明されており、ワクチンは概ね安全であることが示されている。」
3. ロジャース式議論
最適: 意見が対立しやすい問題について、歩み寄りを見出す、または、多様な意見を持つ読者に対して効果的に訴求する場合。
ロジャース式は、通常対立しやすい議論において、共通点を見つけようとするものです。異なる意見を持つ読者層に語りかける際に特に有効です。2つの視点の間でバランスの取れた議論を構築することで、相手の意見に対する理解と尊重を促します。
まず、相手側の主張を提示し、共感を示し、その妥当性を認めます。次に、自身の視点を提示し、合意点や妥協点を探ります。このアプローチは、相互尊重を育むだけでなく、意見の隔たりを埋めることを目的としているため、合意形成が重要な問題を解決するのに効果的です。
概要:
導入: 問題を提示し、中立的な立場を維持します。
例: 「国民皆保険制度をめぐる議論は、依然として意見が分かれており、双方に正当な懸念が存在します。」
相手の視点: 反対側の視点を提示し、その妥当性を認めます。
例: 「国民皆保険制度に反対する人々は、税負担の増加と医療の質の低下を懸念しています。」
自身の視点: 反対意見を尊重しながら、自身の立場を説明します。
例: 「しかし、国民皆保険制度を導入している国々の事例を見ると、医療の質が向上し、医療費による破産が減少していることがわかります。」
共通点を見つける: 共通の目標を強調し、妥協案を提案します。
例: 「双方とも、医療へのアクセスが不可欠であるという点では一致しています。公的保険と民間保険を組み合わせたハイブリッドシステムは、医療費に関する懸念を解消しつつ、医療へのアクセスを拡大できる可能性があります。」
結論: バランスの取れた議論をまとめ、今後の方向性を示唆します。
例: 「公平な制度を構築するために協力することで、医療の質や財政的な持続可能性を損なうことなく、すべての人が医療にアクセスできる社会を実現できます。」
論証エッセイの書き方:執筆プロセス
1. 議論をブレインストーミングする
まず、エッセイのテーマについて考えてみましょう。もし特定のテーマが指定されていない場合は、興味があり、かつ課題の範囲に合ったアイデアをブレインストーミングします。自問自答してください。「何について強く感じているか?」「どのような議論なら、証拠に基づいた自信を持って主張できるか?」これこそが、エッセイの基盤となるあなたの主張( thesis )です。
2. 徹底的に準備する
この段階では、議論を組み立てるために必要なツールを集めます。まずリサーチから始めましょう。信頼できる情報源を探し、あなたの主張を裏付ける事実、統計、例などを集めます。また、反対意見についても調べ、それらに反論できるように準備しましょう。証拠が集まったら、エッセイの構成(アウトライン)を作成します。これは、各議論、反論、証拠をどこに配置するかを示す、エッセイの設計図のようなものです。
3. エッセイの下書きを書く
アウトラインができたら、執筆者としてエッセイの下書きを書き始めましょう。細部にこだわりすぎず、まずはアイデアを書き出すことを意識してください。導入部では、読者の興味を引く一文から始め、背景情報を述べ、最後にあなたの主張( thesis statement )を提示します。本文では、あなたのアイデアを展開し、証拠や反対意見を用いてそれをサポートし、明確に反論します。そして結論では、あなたの主張を再度述べ、読者に強い印象を与えましょう。
4. 修正および改良する
修正は、文章を洗練させる段階です。自分の主張が論理的で、根拠に裏付けられており、明確であるかを考えながら、下書きを批判的に読み返しましょう。証拠は十分な説得力を持っているでしょうか?反対意見に対し、効果的に対処し、反論できているでしょうか?言葉遣い、構成、流れを改善できる箇所を探しましょう。また、文章のトーンや言葉遣いが読者層に適しているかを確認することも重要です。
5. 完璧に校正する
最後に、細部に注意を払いましょう。文法、スペル、句読点の間違いがないか確認します。引用がすべて正確で、正しい形式で記述されていることを確認してください。エッセイを声に出して読むと、不自然な言い回しや見落としに気づきやすくなります。可能であれば、友人やクラスメートに読んでもらい、自分では気づかなかったミスを見つけてもらいましょう。
5種類の主張
議論を展開する essay を書くにあたり、あなたの論点を最も効果的に裏付ける主張の種類を選ぶ必要があります。この選択によって、議論の組み立て方や、集めるべき証拠の種類が決まります。 essay で用いることができる、議論を構成する5つの主張の種類を以下に示します。
1. 事実に関する主張
事実に関する主張とは、検証可能な証拠によって裏付けられる、真偽についての断言です。これらはシンプルで、現実に根ざしており、証拠や先行研究によって証明できる事実の記述を目的としています。
例えば、「気候変動は人間の活動によって加速されている」という主張は、事実に関する主張にあたります。
2. 定義に関する主張
定義に関する主張は、ある用語や概念の意味や分類を明確にすることに関わります。辞書的な定義と、あなた自身の解釈を示すことによって、これを達成します。
例えば、「言論の自由とは、不人気な意見を表明する権利をも含む」と主張し、その用語の一般的な範囲と用法を定めるような場合です。
3. 価値に関する主張
価値に関する主張は、あるテーマに関する重要性や倫理的な判断を示すもので、個人的な信念や社会的な規範の影響を受けやすいものです。これらの主張は、テーマに価値や望ましさを付与します。例えば、「再生可能エネルギーは、環境価値により適合するという点で、化石燃料よりも持続可能性が高い」と主張する場合などです。
4. 因果関係に関する主張
因果関係に関する主張は、出来事の間のつながりを明らかにし、一方があるもう一方の原因となると主張します。ある結果の原因、または原因が特定できている場合にその結果を特定しようとします。因果関係に関する主張の例としては、「スクリーンを見る時間が長くなると、眼精疲労や倦怠感が増加する」というものがあります。
5. 政策に関する主張
政策に関する主張は、特定の行動や、既存の政策の変更を提唱するものです。その目的は、読者に特定の計画や解決策を支持してもらうことです。例えば、「政府は、汚染を軽減するために、プラスチックの生産に対してより厳しい規制を導入すべきだ」と主張することは、政策に関する主張にあたります。
論証エッセイの書き方:ヒント
論証エッセイを上手に書くには、説得力と明瞭さを向上させるためのいくつかのポイントがあります。以下に、そのための方法をご紹介します。
1. 具体的な事実に基づいた議論を展開する:
論証エッセイで大切なのは、個人的な意見ではなく、主張を明確に述べ、それを証拠によって証明することです。信頼できる質の高いデータを集める時間を十分に確保しましょう。質の高い情報があれば、議論はより強固なものになります。個人の判断に頼るのではなく、必ず外部の調査によって情報を裏付けましょう。
2. 言葉遣いを意識する:
他者の意見に反対する場合、言葉のトーンや選び方に注意を払いましょう。相手に敬意を払いながら反対意見を述べることは可能です。そうすることで、冷静さを保ちつつ、自身の信頼性を高めることができます。攻撃的な言葉遣いは読者を遠ざける可能性があるため、主張を明確にしつつ、 Diplomatic な表現を心がけましょう。
3. スタイルと文法チェックツールを活用する:
どんなに些細なタイプミスでも、注意深く組み立てた議論を台無しにしてしまう可能性があります。文法チェックツールを活用し、エッセイのスタイルやトーンを改善しましょう。それらのツールは、議論の一貫性を保ち、 tone を適切かつ professional に、そして議論の内容と一致させるのに役立ちます。
結論
結論として、議論エッセイを書くには、明確な構成、強力な証拠、そしてしっかりとした論文が必要です。
議論は、質の高い調査に基づき、十分に練り上げられている必要があります。常に反対意見を考慮し、弱い主張の方が立証しやすいことを念頭に置きましょう。5段落構成などの形式に関わらず、説得力のある議論を展開することに集中し、読者が感情に訴えるのではなく、内容そのものに関心を抱くように心がけましょう。
常に明確さを保ち、焦点を絞り、プロフェッショナルな姿勢を貫くことで、目標を確実に達成できます!