ポジションペーパーの書き方:5つの手順と概要例

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Write by  Emily Watson
2025-08-13 18:54:21 3 min read

ポジションペーパー(Position Paper)の作成は、自身の立場を明確に伝える上で非常に重要なスキルです。

身近な問題から地球規模の課題まで、説得力のある議論を展開することが求められます。

このガイドでは、効果的なポジションペーパー(Position Paper)の書き方をステップごとに解説し、構成例や議論を深めるヒントを紹介します。読み終える頃には、読者を納得させ、かつ独自性のあるposition paperを作成できるようになるでしょう。

ポジションペーパーとは

ポジションペーパーとは、特定の課題に対して、論理的な根拠に基づいた主張を展開する文書のことです。特定の課題、政策、議論などに対して、賛成または反対の立場を明確にするために用いられます。

よりカジュアルな意見記事とは異なり、ポジションペーパーは綿密な調査、客観的な証拠、そして論理的な推論に基づいて作成されます。書き手は、問題に対する自身の立場を明確に表明し、それを裏付けるための十分な証拠を提示する必要があります。また、反対意見を予測し、それらに対応することも求められます。目的は、読者に対して自身の視点の正当性を納得させることです。

ポジションペーパー作成の5ステップ

効果的なポジションペーパーを作成するには、以下の重要なステップに従ってください。

1)トピックの選択

明確で具体的、かつ最新のトピックを選びましょう。強い意見を持ち、賛成・反対の立場を論じやすいものが適しています。

2)徹底的なリサーチ

自身の主張を裏付ける信頼性の高い情報、記事、統計を収集するため、徹底的なリサーチを行いましょう。学術論文、政府の調査報告、専門家の見解など、信頼できる情報源を参照することが重要です。

3)反論の検討

自身の立場を決定する前に、反論を考慮して検討しましょう。

「自分に反対する人は何と言うだろうか?」と自問自答し、予想される反論とその対応を論文に盛り込むことで、議論の説得力が増します。反対意見を認識しつつ、自身の立場がより優位であることを示すことで、論文の信頼性が向上します。

4)説得力のある議論の展開

明確な導入部、本文、結論で構成された論文を作成しましょう。

背景情報と自身の主張(論文)を提示する、説得力のある導入部から始めます。

本文では、主要な議論を裏付ける証拠とともに提示します。論理的な推論、現実世界の例、専門家の見識を用いて、自身の主張を正当化しましょう。さらに、反論を取り上げ、十分な調査に基づいた反論を展開します。優れたポジションペーパーは、反対意見を無視するのではなく、その妥当性や不完全さを説明します。

5)裏付けとなる証拠の収集

自身の主張をサポートする証拠を提示しましょう。統計データ、専門家の意見、事例研究、現実世界の例などを活用できます。証拠が自身の主張に直接関連していることを確認してください。

ポジションペーパーのアウトライン例:

このパートでは、論文のアウトラインをどのように書くかを、議論を交えながら説明します。例として、「タブレットは教室で従来の教科書に取って代わるべきか?」というトピックを取り上げます。議論の構成は、導入、本論、結論の3つの要素に分けられます。各要素について、例文を交えながら詳しく解説し、読者の皆さんが自信を持って学術論文を作成できるようサポートします。

導入

導入部分では、問題提起を行い、それに対する自身の立場を明確に示します。読者の興味を引きつけ、トピックに関する背景情報を提供することが重要です。

例: 

「近年、テクノロジーが教育現場に浸透し、タブレットが従来の教科書の代替手段として注目されています。本論文では、タブレットは費用対効果が高く、インタラクティブな学習を促進し、環境にも優しいという利点から、教室で教科書に取って代わるべきであると主張します。」

本論

本論では、自身の立場を裏付けるための議論を展開します。各段落で特定のポイントに焦点を当て、証拠、事例、論理を用いて主張を強化します。また、反対意見を想定し、それに反論することも重要です。

例:

  • 議論1:「タブレットは従来の教科書よりも費用対効果に優れています。教科書は頻繁な改訂が必要ですが、タブレットはコンテンツを容易に更新できるため、長期的なコストを削減できます。」

  • 議論2:「タブレットは、マルチメディアコンテンツ、シミュレーション、教育用アプリなど、インタラクティブな機能を通じて学習効果を高め、授業をより魅力的なものにします。」

  • 反論と反駁:「タブレットは生徒の集中力を妨げるという意見もありますが、適切な使用法をすれば、集中力と積極的な参加を促進するという研究結果も存在します。」

結論

結論では、自身の立場を改めて述べ、主要な議論を要約します。最後に、読者に自身の見解を再考させるような、考察や行動喚起を提示することが効果的です。

例: 

「結論として、従来の教科書は長年にわたり教育現場で活用されてきましたが、タブレットは現代の教室にとって革新的で効率的、かつ持続可能な代替手段となります。テクノロジーの進化に伴い、教育の未来はタブレットのようなデジタル学習ツールを活用することにあるのは明らかです。」

ポジションペーパーの種類

ポジションペーパーは、目的、焦点、対象読者によって異なります。以下に、代表的なポジションペーパーの種類を示します。

1) 議論型ポジションペーパー

明確な対象読者を想定し、特定の立場を支持する論文です。 ある問題に関する複数の論点(論文)を提示し、証拠に基づいて議論を深めます。この種の論文では、特定のテーマについて論じ、筆者の立場を裏付ける情報源を参考文献として含める必要があります。

例:

気候変動対策として、化石燃料から再生可能エネルギーへの転換を主張する論文。環境への利点、経済性、持続可能性に関するデータを示します。

2) 政策ポジションペーパー

政治や行政の世界でよく見られるのが、政策ポジションペーパーです。 現行政策の変更を提案するもので、多くの場合、具体的な解決策を提示し、政府機関や企業の幹部など、政策決定者に向けて書かれます。

例:

ユニバーサルヘルスケアの導入を提唱し、単一支払者制度のメリットを示すデータを示すなど、医療政策の変更を提言する政策ペーパー。

3) 分析的ポジションペーパー

分析的論文は、ある問題や概念を構成要素に分解し、評価した上で、その分析結果を読者に提示するものです。音楽理論や歴史に関する論文がその例として挙げられます。分析的論文は、調査研究に重点が置かれています。

例:

オンライン教育のメリット・デメリットを分析し、アクセシビリティや柔軟性といった利点と、学生のエンゲージメントや技術的な制約といった課題を比較検討する論文。

4) 比較ポジションペーパー

比較ポジションペーパーは、特定の問題について対立する複数の視点を提示し、それぞれの長所と短所を比較します。 どの視点がより説得力を持つか、または実現可能かを評価することに重点を置き、それぞれの議論を詳細に分析します。

例:

所得格差是正に対する様々なアプローチ(税制改革、最低賃金引き上げなど)の効果を比較し、貧困削減に最も効果的な方法を検証する論文。

5) 学術ディベートにおけるポジションペーパー

学術的な場では、ポジションペーパーは通常、研究集会やセミナーのために書かれ、ディベート、模擬裁判、模擬国連(MUN)などの活動に利用されます。 特定のテーマに関する国や機関の公式見解を表明するものであり、データや根拠を示す必要があります。世界的な問題や国際的な政策課題に対する解決策や対応策を主張します。

例:

難民危機や核軍縮といった地球規模の問題について、ある国の立場を代表する模擬国連会議のためのポジションペーパー。

ポジションペーパーを書くためのヒント

説明的文章を作成する際の一般的な戦略と構成は以下の通りです。

1. 明確な立場とテーマ

自身の立場を明確にし、テーマを絞った具体的なアイデアを持つことが重要です。そうすることで、読者はあなたが最初からどのような立場を取るのかを理解できます。

2. 十分な調査と根拠に基づくサポート

議論は、信頼できる確立された調査に基づいている必要があります。研究データや専門家の意見を適切に引用することで、議論の信頼性が大きく左右されます。信頼できる情報源を多く利用するほど、議論の説得力が増します。

3. 明確な構成と簡潔な表現

文章は明確かつ直接的であることが重要です。専門用語に頼りすぎることなく、単一のイデオロギーに焦点を当て、そのアイデアに価値があることを示す証拠を使用してください。

4. 効果的な説得と論理的な根拠

論文内で論理的な議論を展開してください。事実、統計、専門家の証言を用いて、自身の立場を裏付けます。必要に応じて、グラフや図表を適切に用いてください。

5. 編集と魅力的な表現

論文を校正し、文法的な誤りや不自然な表現を修正し、徹底的に編集されていることを確認してください。

6. 引用と可視化ツール(オプション)

常に適切な引用を行い、参考文献の著者に敬意を払い、剽窃は絶対に避けてください。必要に応じて、グラフや図表などの視覚的な補助資料を取り入れ、データをわかりやすく表現しましょう。

よくある質問

これらは、担当教官が、議論の立場を論じる論文やエッセイの作成にあたって、学生に確認する可能性のある質問です。

1) ポジションペーパーは通常どのくらいの長さですか?

ほとんどのポジションペーパーは2〜3ページで、APA形式(ダブルスペース、Times New Romanの12ポイント、1インチ余白)で作成します。

2) ポジションペーパーには何を含める必要がありますか?

ポジションペーパーとは、ある問題について、著者または特定の団体の意見を論理的に主張するエッセイです。

3) 目的は何ですか?

ポジションペーパーとは、ある問題について、著者または特定の団体の意見を論理的に主張するエッセイであり、学術、政治、法律などの分野で発表されます。

4) 何を避けるべきですか?

感情的で根拠のない表現、主張を裏付けない情報、論点と無関係な情報を避けましょう。

5) どのような種類の論文ですか?

ポジションペーパーとは、学生が論争の的となる問題について調査し、自身の立場や見解を述べる学術論文の一種です。ポジションペーパーの主な目的は、あるトピックに関する継続的な議論に参加し、そのトピックに関する知識を示すことです。

結論

つまり、ポジションペーパーの作成は、「なぜ自分の意見が正しいのか」を論証することに尽きます。ポジションペーパーとは、ある特定の問題に対する個人の批判的分析であり、根拠となる調査に基づいて自身の意見を擁護するものです。学校の新聞に掲載される意見記事と似ていますが、信頼できる情報源を用いて意見を正当化する点が異なります。適切な論理と証拠を示すことで、他者に自身の立場を検討させることができます。ポジションペーパー作成の重要なステップは、立場の選択、調査、構成、そして反対意見を考慮しつつ、様々な説得手法を用いることです。これらのステップを踏むことで、グローバルまたはローカルな問題について、積極的に議論する論文を効果的に作成できるでしょう。